wtatsuruの技術方面のブログ

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『思考する機械 コンピュータ』を読んだ

文庫 思考する機械コンピュータ (草思社文庫)

文庫 思考する機械コンピュータ (草思社文庫)

コンピュータの原理的なところから、プログラミング、並列コンピュータなんかに関してまで、平易な言葉でわかりやすく、かつ本質をついた説明がなされていた。個別の論点に終始してしまいそうな内容が短く綺麗にまとめられていて感動した。例えば暗号に関して、情報量と絡めて「潜在的には一定の規則を持ちながら、表面的には不規則な数字列をある方法で用いる」とある。概念や考え方はなんとなくわかっていたものの、ここまですとんと腑に落ちる説明には初めて出会った。
一番印象に残ったのは、序章のこの部分である。

コンピュータの面白いところは、コンピュータが本質的にテクノロジーを超越しているということであり、私はその本質について語るためにこの本を書いている。

最初読んだタイミングでははっとさせられ、読み進めるに従ってじわじわ納得し感動を覚えた。この目的があるからこそ、全体像をわかりやすく描き出せているんだろう。
情報系の素養がある人間ならさらりと読めるし、そうでなくてもじっくり考えれば読めるようになっている。一通り見直すにはちょうどよかった。高校生の時にこの本に出会っていたら、進む道は少し違っただろうか、と考えさせられる本の1冊だった。

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